LEXUS RC-F

 

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レクサスRC-F

IS-Fがフルモデルチェンジしてよりスポーティな2ドアクーペとなり、ISとは別ボディになって大排気量エンジンに似合った車格になりました。注目のエンジンは477PSとパワーアップされ、また先進技術を惜しみなくつぎ込んで、とにかく走りを追求したスーパースポーツの誕生です。それに伴い価格はなんと1,000万円以上!オプションと付けると乗り出し価格が1,200万円程になる国産離れした車です。
私の知り合いが車を持っていたためすぐに借りて開発にかかりました。かなりの力作を作りましたのでどうか最後まで読んでくだされば幸いです。

       

さてまずは乗ってパワーアップしたエンジンを確かめます。

胸のすくよう高回転の伸びが印象的で純正タイコ内部のバルブが開く高回転は音でも胸が高まります。チューニングされたエンジンの印象が最初から味わえます。しかしその分低速トルクが少なくなっていて下から湧き上がるような走りではありません。5Lもあるのにここが惜しい部分です。ライバルのC63は下から凄いトルクがありますのでスタートダッシュでは負けそうです。ここを補うように全域でトルクの出せるマフラーを目標に制作していきます。エンジンルームを見るとIS-Fと同じシングル吸気でVバンクの両方から独立した吸気レイアウトを持っていません。ここも惜しい!スポーツカーならぜひ改善を求めたいです。

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それではまずノーマルマフラーから。

なんて細いパイプでしょうか?更にそれでいてTVDユニットを避けるようにその部分が半分ぐらい潰されています。これでは排気効率なんてあったもんではありません。さぞかし抜けが悪そうです。パイプ径を60φと一回り太くして潰れの無いように作ればかなりパワーアップしそうです。

NAでもともと低速トルクが薄いのでストレートで抜いてしまってはいけません。更に低速トルクを損ないます。そこで当社得意の2重管オリフィス構造にしました。高回転の抜けを良くするためにオリフィスの径は大きめで、それでいて低速トルクを出すために全長は長めにして制作します。 LEXUS_RC_F_05 LEXUS_RC_F_06
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レイアウトのスペースが狭いので苦労します。

そして完成!完璧なレイアウトでリアピースが制作出来ました。

テールはお好みでオーバルタイプか真円タイプを選べる事が出来まして、さらに最近はやりのチタンコーティングをオプションで用意しました。お客様のお気に入りのテールをご指定下さい。

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価格は100φ真円タイプが178,000円(税別)(チタンテールは24,000円(税別)UP)です。120×80φオーバルタイプが188,000円(税別)(チタンコーティングタイプは24,000円(税別)UP)です。

早速試乗に出かけます。思った通り全域でパワー感が出ています。音もリアピースではそこそこといった感じで少し物足りません。今の加速騒音の音量基準をクリアーしないとなりませんので仕方ありません。それでもパワーの盛り上がりも音の伸びもまだまだこんなものではないはず。このマフラーの能力はリアピースでは発揮されていません。フルピース交換して初めて真価を発揮するマフラーです。この後フルピースの開発に入りたいと思います。

ノーマルのフロント、中間ピースは一体になっていて物凄く大きくて重いです。しかも車体側のバーを外すのに左右のカバーまで外さなくてはならず大変面倒な交換作業です。 二人以上で作業しないと危険です。そして大きな純正が外れました。この部分パイプの潰れはあまり酷くなくていい形状をしています。 LEXUS_RC_F_13 LEXUS_RC_F_14

このパイプ径、レイアウトなら交換の必要が無いくらいの見栄えですがそこは純正、触媒は網の目のように細かくて抜けを無視していますし、中間タイコの中は絞られていてこれも抜けが良くありません。このすべてを解決するように制作していきます。

この部分の排気理論を少し説明しておきます。

リアピース部分とは違いエンジンに近いフロント、中間部分は高温、高圧になります。空気の膨張率は温度の二乗に比例しますので私はこの部分はNAエンジンでもTBエンジンと遜色ない同じ口径でマフラーを作ります。これを見たり知ったりしたお客様やショップの人、さらには私の社員まで「社長!NAなのにパイプ径が太すぎないですか?」とよく言われます。なぜそのような事を思うのでしょうか?それは本とかにNAは太いと抜けすぎで低速トルクがなくなる。と書いてあったのを読んだり、それを読んだ人がみんなに言ったりして頭の中に残っているのだと思います。私自身マフラーメーカーを立ち上げるまでそう思っていて信じて疑いませんでした。ところがそれは先程の空気の膨張率は温度の二乗に比例するという科学的に解明された理論は当てはまらないことになります。これはおかしいですよね。ですから自分で太いパイプ径でマフラーを作ってみました。そうしてみるとやはり太い方がパワーが出て断然乗りやすい。低速トルクはマフラーにかかる排圧がどれだけあるかによって生まれるものです。ですから温度、圧力の高いフロント部分は出来るだけ太く排気の抜けを重視して制作し、温度の下がったリアピース終わりの最後の部分でオリフィスを使い排気圧力を生み出します。するとマフラーの中全体に圧力がたまり凄い低中速トルクが出てきます。シャーシーダイナモではこの辺り精密に測定出来ないため乗ってみて自分の体で感じとります。これを経験してしまうともうほかのマフラーでは満足できず車を買い替える度に私にマフラーの制作を依頼してきます。こうして広まったお客様が今の私を支えてくれています。本当に嬉しい事ですよね。

LEXUS_RC_F_15 LEXUS_RC_F_16 純正はこの辺り完全に解明しています。RC-Fの純正のフロントパイプ部分と中間の出口部分のパイプ径を測ってみました。やはり温度の高いフロントは64φあるのに対し温度の下がった中間タイコ出口は52φしかありません。これで同じ体積の排気量が通るのでしょうね。でも私はアフターメーカー、もっと口径を上げて抜けのいいマフラーを作っていきます。
でももしかしてこれよりもいい排気の方式があるかもしれません。もしもそれを見つけたらすぐに新たな開発ストーリーを書いてみたいと思います。皆さんよろしくお願いします。

それでは制作して行きます。

触媒はエキマニに純正の第一がありこのマフラーは第二触媒になるので抜けの一番いい200セルを使います。純正と違い左右独立にしてメンテナンス性にも優れたマフラーを作ります。排気ガス検査もすでに受けにいって合格していますので安心してお求めください。

価格は199,800円(税別)です。

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LEXUS_RC_F_19 LEXUS_RC_F_20 触媒レスのストレートタイプも開発します。これはより安価なご要望があるのと同時に車検を考慮せず、サーキット走行会や競技用にバルブ付きのマフラーの要望も多いので制作します。バルブ付きタイプは競技用になりますのでそれを装着してフロントをスポーツ触媒付きの車検対応品を購入する意味が無いと思うからです。この車は他の車と違いそういったご要望も多い車です。
ストレートタイプをすぐに制作、完成しました。
価格は89,800円(税別)です。

引き続き中間ピースを制作します。

タイコの中は抵抗の無い完全なストレートタイプにして純正とは別物の、先程の文章通りの理論で抜けを最優先で制作して行きます。
純正のように左右を結ぶバイパスパイプを設けてこちらは左右一体構造にします。 そして完成!これでフルエキゾーストが出来上がりました。
ここで一つ説明しておきます。RC-Fはフロントと中間ピースが純正で一体構造になっていますので当社マフラーを購入する場合もフロントと中間ピースは同時に購入する必要があります。そうでないと装着できません。ご了承ください。

中間ピースの価格は119,800円(税別)です。

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早速フルエキゾーストで試乗に出かけます。

やはりリアピースだけの交換とは問題にならない走りが体感できます。低速トルク、中速トルクもモリモリで高回転まで気持ちよく伸びます。まるで排気量をアップした車のような感覚といったらご理解いただけるでしょうか。最初のリアピースもやっと真価を発揮して理想の排圧がマフラーにかかり乗りやすいです。しかも排気音もやっと元気になってきました。
大満足のマフラーが出来ましたので皆さんもぜひ体験してください。宜しくお願いいたします。

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最後にバルブ付きマフラーを制作します。

この車リアタイコの前側にほとんどスペースが無いのでパイピングを2分割できません。したがってテール側にバルブを持ってきます。後ろから見てすぐにバルブ付きだと分かりますのでアピール度も抜群です。リアタイコ入口がこの車はレイアウト上内側からパイプが入りますのでバルブも内側、すなわち上側にセットします。これで入口からフルにストレート、バルブ側通路は完全な直管で迫力の排気音が響きます。閉じると外側、すなわち下側から排気し二重管オリフィスによりとても静かな排気音になります。

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価格は専用構造タイコ、左右バルブ、電磁ソレノイドバルブ、リモコンのセットで100,000円(税別)UPになります。

 

渾身の力作が出来、大満足のマフラー開発が終了しました。
リミッターを解除出来たらぜひパワーチェックを行いたいと思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

乱筆お許し下さい。

 
株式会社 ジースプロジェクト

代表取締役  澤村 淳

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